人生の教養が身につく名言集
人生の教養が身につく名言集―――「図太く」「賢く」「面白く」 出口治明(2016)
雑なあらすじ
- 言葉ひとつで人生は変わったりなんかしない。
- でも、「知っている」ことで教養になり、厚みが出る。
- 聞いたことある言葉が、著者のフィルタを通して読みやすい
雑な感想
面白かった。知っている言葉、聞いたことある言葉、知らない言葉が新旧入り乱れて記載されている。そしてそのひとつひとつに著者の解説が入るのだが、その語り口が非常に読みやすい。なんだか会社に居る世話好きのおっさんに酒でも飲みながらダラダラと話を聞かせてもらっているような感覚で読み進めることが出来た。で、この著者はどうやらライフネット生命の会長さんで、とても偉い人らしい。で、そんな人が、
「出世レースに落ちたって言ったって大多数の仲間入りしただけだろ」
なんて言われても嫌味なだけな気がしないでもないのだが、なんだろうなー、この語り口、その文章の間から見えてくる顔が凄い朗らかそうで許せた。(あったこともないし、顔写真をググってみたりもしていないが)
気になった言葉たち
この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ。
ルネサンス初期、イタリアの大詩人ダンテ(1265~1321)が書いた『神曲・地獄篇』の一文。
人間や、その人間がつくった社会への甘い期待は捨てたほうがいい、ここで言う「希望」は「幻想」と言い換えてもいいかもしれません。
人生そんな甘いもんじゃないぜ、という意味だと勝手に捉えた。今度新人が入ってきたらドヤ顔で伝えてやろう。痛い上司、いっちょうあがり。
よく笑い、よく眠る。悩みの7割はそれで解決
仕事でもプライベートでも、深刻にならないほうがいい。
落ち込むことがあったら、仲のいい友達や、あるいはパートナーとおいしいものでも食べて、ゲラゲラ笑って、あとはぐっすり眠れば、悩みの7割くらいは解消できます。
これはなんか良くわかる。仕事で嫌なことあっても帰って晩御飯食べて、いつもより早めに床につくと翌朝はどうでも良くなっていることが多い。状況はちっとも良くなってないのだがw
「会って別れて」をくり返すのが、人生
実は今、店舗開発系の仕事をメインにしているのでこの言葉が凄く刺さった。僕が計算してさ、「この店舗やってらやべぇわ、閉めなきゃ」とかさ、「ここの店舗をあの企業に売ってC/F改善しましょうよ。」とか社内で偉そうに話をするじゃん。で、役員会通してさ、会社の為だって思いながらさ、同じ会社の仲間が働いている店舗を閉店させるワケよ。何の罪もないアルバイトさんがさ、「私はこのお店大好きだったんです!なのになんでですか!」とか閉店説明会で泣いてるの。まぁ精神的にきっついわ。
で、こないだある店舗をある企業に売却した訳ですよ。そこは僕の唯一の同期が働いている店舗だった。売られた店舗の社員の未来なんて本当に儚いもんですよ。もう一度転勤して新天地で頑張るか、売られた先の企業に就職するか、辞めるか、それしかないもん。で、その同期は辞めることを選んだ。それ聞いてその店舗飛んでいってさ、引き留めたんだよ。でも
「自分で家族と話して決めたことだから、恨んでないよ。会社の為にやらなきゃいけないことやってるだけだろ?そんなお前のこと恨むわけないだろ。」
ってさ、オレが引き留めたいと思った、オレが気付いてない理由まで気付いてやがるの。このセリフ聞いて自分がどんだけ覚悟決めずに仕事していたか、どんだけ軟弱ものなのかを知ったよね。
『コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトヘモアルゾ
『サヨナラ』ダケガ人生ダ」
(井伏鱒二訳。原詩は、于武陵の『勧酒』)
別れて初めて、人生にチェックポイントが作られるのかな。本当にこの言葉を見て泣くかと思った。良い詩だな。アイツと飲みに行こう。めいっぱい飲ませてやろう。
人生の教養が身につく名言集―――「図太く」「賢く」「面白く」
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