その数値は誰の為なのか(前半)
1. はじめに
経営企画部の仕事として、「計画の作成・立案」というものが大きな比重を占めていることを書いた(?)ものが、先日のエントリー。
この計画、というものの主役は必然的に「数値」となり、さらに突っ込むと「営業利益」や「経常利益」、はたまた「最終利益」であろう。これは至極当然のことで、企業が存続し続けるには絶対に外せないものである。という訳でこの利益を求めて右往左往しながら計画を立案する訳だが、どこに観点を置くべきか、という個人的な見解をつらつらと書き留めておく。
2. 企業の目的とは
「企業とは何かを問われると、たいていの企業人が利益を得るための組織と答える。たいていの経済学者もそう答える。この答えは間違いであるだけでない。的外れである。(ピーター・ドラッカー『現代の経営』)
そう。でも利益を出せと散々上から詰められる訳ですよ。で、計画を作る部署に所属していると、「これだけ利益が必要だからなんとか数値作れよ!」「作れるかヴォケ!」という不毛なやりとりの末、グダグダの計画が出来上がるのが毎年恒例行事。でも上(経営層として読み替えるとわかりやすい)が言っていることはそれはそれであっていて、それを理解する為のキーワードが本エントリーの題名。
「その数値は誰の為なのか」
というもの。ここからは目線が企業から部門・部署、チーム、個人とブレイクダウンされていくけど、企業の目的は利益を確保して「存続すること」としておく。*1
3. P/L(損益計算書)の見方
経営企画部に所属するような人がP/Lの見方を知らない、なんてことはないと思うけれど、ここで言う見方は知らないかもしれない(というか僕は知らなかった)ので、釈迦に説法かもしれませんがご笑納下さい的な。
まずはWikipedia
損益計算書(そんえきけいさんしょ、英: income statement (US), profit and loss statement (UK)等)は、財務諸表の1つである。企業のある一定期間における収益(revenue)と費用(expense)の状態を表すために、複式簿記と呼ばれる手法により貸借対照表などと同時に作成され、その企業の株主や債権者などに経営成績に関する情報を提供する。
固い。固すぎる。だけども重要なワードがそこに。
「株主や債権者などに経営成績に関する情報を提供する。」
いやまぁ会計(accounting)の観点から考えればそらそうなんだけど、この文章はP/Lは誰の為に作られるのかということが書いてある。そう、さらに言い換えてその数値は誰の為なのかということ。P/Lは株主、債権者の為に作られる帳票であり、数値である。つまり一番重要な数値は株主や債権者が知りたい数値であり、それはP/L上の一番下に存在する科目、「利益」ということ。だから経営層は利益を重視する訳ですよ。*2
後半へ続く(・∀・)
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