決まったら考えるよ。

思いついたことそのまま書く。髭剃り、読書、仕事、考えたこと、調べたことを備忘録代わりに。慶應通信で大学生もやっています。

その額に意味がねぇw『日本の通勤地獄が労働生産性を下げている? 試算損失額は1日あたり1424億円』

拾い読み。

www.newsweekjapan.jp

日本の通勤ラッシュは異常だ。だから労働生産性が低くなってしまっているんだ。時間のロスをなくそうぜ!テレワークとかあるんだし。というお話。なんか論点がズレてしまっているような気がするのは僕だけか。

労働生産性とは

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引用:労働生産性とは?混同しがちな定義と計算式をわかりやすく解説

単純に表記するとこうなる。労働による成果(付加価値*1)を労働投入量で除したもの。この数値が高いってことは、効率が良いということだわね。

高める為には

 この数値を高める為にはどうしたら良いのか、という点を前述の数式から考えてみる。労働による成果を増加させれば、それだけ単純に労働生産性が向上する。労働成果が2倍になって労働投入量の変化が無ければ労働生産性は2倍である。そしてまた数式より、労働投入量が1/2になれば、労働生産性は2倍である。

そして記事へ

1424億円が生む誤解

 この記事によると、通勤時間だけで1日あたり1424億円が失われているという試算にはなっている。この試算は、総通勤時間に平均時給を乗じた上で算出された数値を合計したもののようである。こうしてみると「すげぇ額だな」とは思う。しかし。しかしだ。この試算は『通勤時間も労働した場合』に得られた「給与」である。通勤時間を労働時間と見なす世の中だったか?この世は。労災の対象にはなるが労働時間には組み込まれないもんだろうに。これもまたタイトルがキャッチーになるのでそういう仕掛けで算出した数値なのかもしれないが、その時間を「働いていたとしたら」なんて語るのはナンセンスだ。この1424億円には本当に意味が無い。

通勤時間との相関関係

 とはいえ、通勤時間と労働生産性の相関関係に言及している部分はデータの積み重ねから納得度が高い。確かに通勤時間長いと会社に到着した段階でなんか疲れちゃうもんね。実体験から良くわかる。で、これを解決するにはテレワークやらフレックス、という考え方に落ち着くのかな。でもそもそも「通勤地獄が労働生産性を下げている」という記事な訳で、その論拠はわかったけど、あくまでも統計上のデータ提示にとどまっている。そもそもなぜ通勤地獄が発生しているのか、という点が問題だと思うのだが。

通勤地獄がそこにある理由

 これは人口や企業の一極集中(そこに通わなければ仕事が出来ないので)ということなんだろうな。だから記事で触れているテレワークやらフレックスは通勤地獄の緩和には役立つかもしれないが、根本的じゃあない。山切り崩そうぜ。平野にしようぜ。開発しようぜ。違う問題もいっぱい出そうだけど、人口分散させられたら通勤地獄が減るかもしれないよ!


というもっと無責任な結論を出してこの記事を締めておく。生まれてきてすみませんでした。

*1:この付加価値だけで記事3本かけるくらい定義が面倒なので、今回は労働による成果というざっくりした意味で話を進める