決まったら考えるよ。

思いついたことそのまま書く。髭剃り、読書、仕事、考えたこと、調べたことを備忘録代わりに。慶應通信で大学生もやっています。

うつ病サーキュレーション

先日、こんな記事を書いた。

www.siuso.online

うつだった同僚が復帰するにあたり、どのような言葉をかけたら良いのかわからず、苦悶した結果「おかえり」に落ち着いたという話。実際に復帰した同僚にはその通りに声をかけた。彼も笑いながら「ただいま」なんて言っていたのでそれで良かったのだろう。

しかし、何かが消化出来ずに心に残る。なんだろうか。

※2018年8月24日 一部追記


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それが具現化するきっかけ

 はっきり言ってなぜ「おかえり」と言うだけでこれだけ考えたのか、躊躇したのか、そして言った後の僕の気持ちが晴れないのか、という点がわからない。そんな中で見つけてしまったのがこの記事。

diamond.jp

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ついつい仕事中に読みふけってしまった。実際の記事の内容と今回の同僚の立場は違うし、この記事の同僚が感じた想いと僕はちと違うのだが、表題が刺さった。

具現化したその正体

 表題は「うつ社員の代わりで疲弊する同僚たちの悲鳴」である。うつで休職した人間が出た結果、その補充が成されない故に既存社員だけで1人抜けた穴を埋めつつ既存業務を回さねばならぬから大変である。という物。まぁ「会社」という視点から見ればそういった脱落者を出した時点で人数的にも業務的にもリカバリーをするのが正しい在り方であって、それが出来ない会社が悪い以上の何者でもないのだが、現実はこういった残された人間が負担をするケースは多々あろう。

というか言わせてもらえば僕もそうだ。部長以外には彼と僕、合計3人の部署なので、彼が抜けている間は部長と僕の二人で業務を回すしかなかったし、「2人でもなんとかなるなら次から部署の人数減らそうか?」なんて冗談でも言ってはいけないようなセリフを吐いてくる上役が居てぶっ飛ばしたかった。ただでさえ抱えている案件が多かったのに単純に案件数が1.5倍に増え、会社から支給されたガラケーは鳴り響き、外回りを終えてメールチェックをすれば未読メールに押し潰されて残業時間は単純に1.5倍になった。そして彼に恨みは無いけれど、「オレ、被害者じゃねーの?」なんて思ってしまうのは事実。彼が抜けるあの日まで業務は正常に回っていたのだから。だから、彼に「おかえり」と言うだけのことにあんなに抵抗があったのかもしれない。

そして自身の整理

 気付いてしまった以上もう隠し通すしかないのだろう、この感情は。僕が彼にこの感情をぶつけたところで急に過激になった業務で消耗した僕の精神が癒やされる訳でもなく、ぶつけられた彼に「ごめんなさい、もうしません。」なんて言わせたい訳でもない。またそんなことを言おうものなら病状がまた酷くなる可能性だってあるだろう。だから飲み込むしかないのだ。論理的に考えて。彼は復帰後、別の部署に異動となった。もう僕と彼が机を並べて仕事をすることは当分無いだろう。ちなみに部署に人数の補充は無かった。

飲み込んだ後の問題

単純にスッキリしない。残された側だから故に、カバーすることを強要され、カバーをやり抜いたと思ったら「本人も大変だろうし、気まずいだろうから」などという理由で別部署へ異動。減った人数の補充に関しては「会社にそんなに人が居る訳じゃないんだから。それにこの三ヶ月なんとかなってたじゃないか」という理由で無しになった。これじゃあ残された側だけが損してないか?この結論は会社のやり方に起因していて、彼には全く起因しないのだが。

そして再生産

残念ながら、僕は鈍く、丈夫に生まれたのだろう。こうして記事で毒を吐いた後にはまたいつもと同じように出社し、いつもと同じように仕事をすると思う。で、少し変わったけど大して変わらない現実に埋もれて流され、忘れていくとは思う。だけど、「人が居ない→離脱者→負担増→離脱→負担増…」というサイクルをどうにかしてどこかで断ち切ることが出来なければ、おそらく「彼」と同じような人間が再生産されるのは免れまい。わかってるんだよ、悪いのは会社で、その中でも「今までなんとかなったんだからなんとかしろよ」とか言うヤツが一番悪いってのも。で、彼も悪くないんだよ。でも遺された側、なーんかオレが救われないんだよなぁ。

救いは何処にあるのだろうか。そもそもそんな物を求めるのことが間違っているのだろうか。

関連 jp.sputniknews.com

人間だし、上記記事のような「感染」ではないけれど、残された側のことを考えるとやはり「感染」な気もしてきた。