決まったら考えるよ。

思いついたことそのまま書く。髭剃り、読書、仕事、考えたこと、調べたことを備忘録代わりに。慶應通信で大学生もやっています。

人生なんて、ランプ消し。

 僕がとあるパチンコ店の兵卒として働いていた頃、異動になる店長が残していった言葉である。昨日、とある店子さんと言い争いになり、とりあえずの解決はしたがこれから先、完全終結に向けての道筋がはっきり見えた訳でもなく、モヤモヤと考えながら歩く30分程の帰路でふと思い出した。



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ランプとは

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 いわゆるコールランプである。パチンコ店では何かあったときに係員を呼ぶ為のスイッチがだいたい頭上のデータ表示器に付いている。そのボタンを押すと頭上にあるデータ表示器が煌びやかな光を放ち、「ここのお客様が呼んでいますよ!」と、視覚的にスタッフに伝える役割を持つ。スタッフはその光めがけて急行し、お客様へのサービス(箱交換や、玉運び、その他etc)を行うのである。

ランプ消しとは

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 ランプ消しとは、前述のランプで呼ばれたお客様に対するサービスを終えることである。お客様にボタンを押されることによって煌びやかに発光するコールランプは、同じボタンをもう一度押されることで消灯、平常運航に戻る。故に、「ランプがたくさんついている状態はたくさんのお客様がサービスを求めているとても忙しい状態で、そのランプを全て消し終わればつかの間の平穏が戻る」のである。


だからスタッフはランプを「追う」のである。つかの間の平穏を求めて。


あの店長の真意

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 彼はこの言葉を残した当時、30代後半だった。どんな仕事であろうと会社に雇われてサラリーを得ているのだからサラリーマンである。社歴は当時で15年以上だったろう。だからこそ彼の発したこの言葉は今になって考えると深い。人生を「ランプがたくさんついているホール」に例えて、全部対応してやった!ランプ全部消してやったぜ!となったとしても、どうせ何か違うトラブルが舞い込んで、またランプを追うことにしかならないんだよ。という諦め、でも目の前はひとつずつ対処しているから進捗しているに違いないという淡い希望が感じられる。

昨日の帰路

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 冒頭にある通り、昨日の帰路で突然この言葉を思いだした。同じ会社に居るとはいえ、現場から離れて6年強。今やっている業務と現場業務には何も共通点が無いのに、こんなにしっくりくる言葉がそれこそ10年越しで突き刺さるとは。誰もいない、暗い帰り道でニヤニヤする僕は完全に不審者だった。


 なるようにしかならん。とりあえず目の前のランプ消したし、今日はいいな。ビールでも買って帰ろう。