決まったら考えるよ。

思いついたことそのまま書く。髭剃り、読書、仕事、考えたこと、調べたことを備忘録代わりに。慶應通信で大学生もやっています。

会計天国

会計天国 (PHP文庫)

竹内謙礼 青木寿幸(2013)


会計天国 (PHP文庫)


雑なあらすじ

  • 死んだ主人公が「現世復活権」をかけ、会計を通じて5人を幸せにする。
  • 出てくる「経営者」がお粗末過ぎてわざとらしいが、難し過ぎず、簡単過ぎず。
  • 結末は「やっぱりな」だけど、「にやっ」とする良い落とし方

雑な感想

 端的に申し上げまして、「面白かった」でございます。「会計のこと知りたいけどとっつきにくいなぁ」なんて人が読むと良いかもしれません。今ならPrime ReadingでPrime会員、Kindle Unlimitedでもまた無料で読めるのもまた良し。



 出てくる5人の経営者(一部事務員)がまぁ「ようそんなこともわからんと経営しとったな?!」というレベルなのが会計実務に携わる者としては少し残念なのだが、まぁ小説だからそこらへんは致し方あるまい。で、書いてあることは企業の経理部、実際に経営に携わっている方なら「あー、そうそう。知ってる知ってる。」というレベルの事象がメインとなるので、ガッツリ会計、ガッツリそういう小説読みたいです先生!という人には少し物足りないと思われます。でも語り口が非常に親しみやすく、そこまで長い本でもないので2時間もあれば読める気軽さ、誰も不幸せにならないハッピーエンドがとても心地よい読了感をもたらしてくれる。


気になった言葉

「そうだろ。だいたい、なぜ会社は高学歴な人材を欲しがるのか、知ってるか?」


「それは、難しい試験に合格出来て、頭がいいからじゃないですかね。」


「試験に合格ができる頭のよさっていうのは、勉強をやる要領がいいってことなんだ。忙しい仕事の合間でも要領よく勉強して、その知識を仕事に活かせる人間だけが、成果を上げることができるって、会社は知っているんだ。仕事は本番の試験ってことなんだぞ。サラリーマンだから勉強しなくてもいいなんて思ってたら、いつまで経っても試験には合格できない。つまり、一人前のサラリーマンにはなれないってことだ。」


これは薄々社会に出てサラリーマンをやっている人が感じていることだと思う。でも、「ここまで勉強したからもう勉強したくない。」という全員が持っている感情と相反する為、おおきく社会で差がつくポイントだと思う。やっぱりこういう「言葉」で「文章」として紡がれた情報はさ、「読む」という行為を経て概念化されるワケで、活字を読むってのは認知の連続であるこの生きるという在り方において非常に大事なものだなぁと思いました。

 哲学なんてクソくらえ!と、思いながら読んだサピエンス全史がこういう物思いにふける瞬間に頭をもたげる。古代ローマの概念ではないけれど、やっぱり哲学って日々に密接にからんでるんだなぁ。


サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

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サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

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